私にとっては珍しくダークな雰囲気となった今作品。今まであまり触れなかったブラックトーンで作品を制作してみましたが、新たな発見もあって挑戦して良かったです。今作品について詳しく解説していきたいと思います!
注目ポイント
運命的に出会った、柔らかいブラック
青みの強いものから赤みの強いものまでブラックにも色んな種類があるのですが、グッとくるブラックとなかなか出会えずにいました。
ある時アニメ鑑賞をしていたのですが、そこに出てきた人物の髪色に衝撃が走ります。その子は黒髪だったのですが、影に『紫』が使われていたのです。「そういえば髪色で黒×紫の組み合わせって見たことあるかも」と思い、試しにブラックに紫を混ぜてみることに。
そしたら…もうびっくり!!!
ブラック100%のような強い感じがなくなって、ふわっと柔らかいブラックになりました。濃すぎないけどブラックの静けさもちゃんと感じられて、このブラック×紫の組み合わせ良いぞ!と一人大興奮。色の組み合わせはまだまだ研究中の身なので、すごく嬉しい発見になりました。
私が使用したブラック×紫を参考までに書いておきたいと思います。ブラックの方はセット売りになっているシリーズの中の『憲法色』で、紫の方はシュミンケの『ペリレンバイオレッド』です。
他に持っているブラックはホルベインのものがありますが、それと比べるとこちらのターナーのアーティスト・ウォーターカラーの方が私的にクリアな気がしていて、軽さ・クリアさが好みの私は黒はこの憲法色を使うことが多いです。(単色売りはしていないかもです…)
そしてそして、このペリレンバイオレッド。これががすごく使える色なんだと今回気付きました!この少し赤紫みを帯びた葡萄酒のような色合いが、絶妙に元色にバフみを演出しているんですよね。コレまであまり使ってこなかった色だったので、この発見は私的に大発見。これからもペリレンバイオレッド、バンバン使っていきたいと思っています。
※ハーフパンタイプしかリンク先にはなかった(チューブタイプが何故かものすごい高値だったのでリンク貼りませんでした)のですが、世界堂にはチューブタイプありました!
シャツ襟
ここには私の好きなアール・ヌーヴォー的な装飾を入れてみました。全体的に暗い色味なので、ここにゴールドを入れて差し色にしています。ちなみに葉は薊(あざみ)をイメージしました。(そして口元にはゴールドのピアスも!ここは画像では分かりづらいですが、立体的になっています^^)
分離色
今まで背景は単色塗りや描き込むことが多かったのですが、今回はシンプルに単色の、しかも分離色を使ってみました。水彩でフラットに塗るのがまだあまり上手ではないのもあり、その点もカバーできるかも…とデビルな私の一面が囁いたのはここだけのハナシ(笑)
今回使用したのはクサカベのハルモニアシリーズの『フォグアッシュ』という分離色。そこに別の水彩絵の具のブルーを少しだけ混ぜました。
分離色って、乾燥するまでどんな仕上がりになっているのかわからないのですが、なんだかそれって『自然』みたいだなぁと常々感じていました。長い年月をかけて作り出される鉱物もそう。そういう偶然(必然)性が分離色にも共通しているなと感じて好きなんですよね(^^)コントロールを手放し委ねるような感覚になる…。なんだか今回の作品にピッタリな気がする。
完成した作品
今回の作品は『心の内側へと深く入っていく様』を表現した作品です。自己の内へ内へと潜るプロセスを『潜水、沈む』で表し、水底(みなそこ)=水(カップ)はタロットでは『感情』を表すもの。その点も踏まえてこのタイトルにしました。
私がこのブログでよくお伝えしている『自分を見つめる作業』の雰囲気に、この作品はとても良く似ている気がします。
描いた作品を大衆の目に晒すって、やっぱりまだどことなく恥ずかしい。だって、自分の内側を晒しているようなものだから。自分を切り売りしているような感覚がするのがこそばゆい。でもやめられないんだけど笑
こんな感じの私ですが、これからも描き続けていくので、応援していただけたら嬉しいです!
大好きな映画の歌詞に『目に映る全てのことはメッセージ』というのがありますが、ほんとそうだな〜と感じました。偶然見たアニメに感謝…!