豊かさとは、たくさん持つことだけではないと私は思います。
季節が巡り、花が咲き、実を結ぶように、日々積み重ねてきたものが、少しずつ形になっていくこと。
当たり前に日常を積み重ねられるということ。
気付けないだけで、もうすでにある豊かさたちー。
今回描いたルドベキアには、そんな穏やかな「豊穣」の時間を重ねました。
今日という一日は、きっと未来の実りへつながっている。そんな祈りを込めました。
今回の作品

今回モチーフに選んだのは、ルドベキアです。
秋を連想させるような、シックなキャラメル色の花びらは、こっくりとした深みのある美しさを感じさせてくれます。
背景には、花の色が際立つよう、やわらかなミルキーバイオレットを広げました。
シンプルな構成だからこそ、花と背景の色の対比が際立ち、静かな存在感が生まれています。
そして、舞う花びらと重なるように描いたゴールドの光の線。
風に乗って流れる光が、画面全体をゆるやかにつないでいます。
このボタニカルアートについて
この作品では、「色」が主役になるような構成を意識しました。
オレンジキャラメル、ミルキーバイオレット、そして黄緑。
対照的な色同士が出会うことで、それぞれの美しさがより引き立っています。
この作品のテーマ
今回のテーマは、「豊穣」です。
豊穣という言葉からは、実りや収穫を思い浮かべる方も多いかもしれません。
けれど私がこの作品で描きたかったのは、『日々の豊かさ』でした。
人との出会い。
積み重なる時間。
何気ない毎日の中にある幸せ。
それらは目には見えなくても、少しずつ心を満たし、人生を豊かに育んでくれます。
この作品には、そんな「今ここにある豊かさ」に気づけるような光を込めました。
モチーフに込めた意味
ルドベキアは、力強さと素朴な美しさをあわせ持つ花です。
華やかさを競うのではなく、季節の中で自然に咲き、自分らしい色を見せてくれる。
その姿には、飾らない豊かさを感じました。
大きな成功だけが実りではなく、毎日を丁寧に積み重ねることもまた、人生の実り。
ルドベキアは、そんなことを静かに教えてくれているように思います。
色彩と背景に込めた光
背景に広がるミルキーバイオレットは、穏やかさと包容力を感じる色です。
その静かな空間を、ゴールドの光が自由に流れていきます。
花びらが風に舞う動きと重なるように描いた光は、豊かさが循環していく様子をイメージしています。
受け取ったものが、また誰かへ届いていく。
そんな自然の巡りを、この光の線に重ねました。
静かな背景の中で揺れる光が、作品全体へやさしい生命感を与えています。
制作中に感じたこと
この作品を描いている時間は、とても穏やかな気持ちでした。
一筆ずつ色を重ねるたびに、「豊かさは、すでに身近なところにある」という感覚が自然と湧いてきました。
ゴールドの線を自由に描いていると、花びらと一緒に風が流れているようで、画面全体が少しずつ動き始めます。
静かな作品ですが、その中には確かな生命の流れがありました。
描き終えた時には、心まで満たされるような一枚になったと感じています。
この作品が寄り添う人・場面
- 毎日の小さな幸せを大切にしたい時
- 心にゆとりを取り戻したい時
- 穏やかな時間を過ごしたい時
- 落ち着いた空間で自分と向き合いたい時
- 感謝の気持ちを思い出したい時
そんな時間に、この作品がそっと寄り添えたら嬉しいです。
この作品と暮らす時間
この作品をお部屋に飾ると、空間にゆったりとした時間が流れ始めます。
ミルキーバイオレットの優しい色合いが、お部屋全体を穏やかに包み込み、ルドベキアの落ち着いた色彩と相まって、どこか安心できる空気感を添えてくれます。
ふと作品へ目を向けた時、「今ある豊かさ」に気づき、心が少し満たされる。
そんな静かなひとときを、この作品と一緒に過ごしていただけたら嬉しいです。
おわりに
豊かさは、どこか遠くにあるものではなく、私たちの日常の中にすでにあるものなのかもしれません。
ルドベキアは、そのことを優しく思い出させてくれる花でした。
落ち着いた色彩と、風に乗って流れる光。
その静かな世界の中で、この作品があなたの暮らしに穏やかな実りを届けられたら嬉しく思います。











