今回、新作としてギリシャ神話の「ナルキッソス」をモチーフにした絵を描きました。
ナルキッソスと聞くと、”水面に映る自分の姿に見惚れた青年の物語”を思い浮かべる方も多いかもしれません。
けれど、私がこの作品で描きたかったのは、表面的な美しさだけではなく、その奥にある静けさや孤独、そして自分を見つめることの不思議さでした。
この記事では、新作に込めた想いや、見ていただきたいポイントをご紹介します。
目次
新作絵画「ナルキッソス」を描きました
今回の新作では、ギリシャ神話に登場するナルキッソスを、私自身の感性とテイストで表現しました。まずは作品そのものを、ゆっくり見ていただけたらうれしいです。

なぜ今、ギリシャ神話のナルキッソスを描こうと思ったのか
ナルキッソスは「自己愛」の象徴として語られることが多い存在です。でも私には、それだけでは語りきれない人物のように感じられました。
美しさの中にある危うさ、誰にも届かないような孤独、自分を見つめることの深さ。
そうしたものが重なって見えたことが、このモチーフに惹かれた理由です。
私のテイストで表現したかったナルキッソス像
神話をそのまま再現するのではなく、私の中に浮かんだ空気感や感情の揺らぎを大切にしています。
- 色ににじむ静けさ
- 光と影のあいだにある感情
- 美しさだけでは終わらない存在感
ナルキッソスをひとつの象徴としてとらえながら、私自身の表現へと落とし込んでいくことを意識しました。
この作品で見てほしい3つのポイント
1. 目線や表情のニュアンス

水面の中にいる美しい青年。(本当は本人の姿なのですが、ナルキッソスはそれを誰かだと思っている)そんな手の届かない存在への色んな感情を『目線』にこめています。見る人によって意味が変わるような曖昧さを残しました。
2. 水面や背景が持つ象徴性

ナルキッソスという神話に欠かせないのが『水面』『スイセン』。そこに加えて、この物語に少しだけ関わっているアフロディーテ。彼女の象徴の一つである鳩も登場させました。
3. 美しさと孤独感
ただ美しいだけではなく、少し胸に残るような、仄暗い静けさも感じてもらえたらと思っています。
独特の仄暗さを出すために、今回の作品では普段の透明水彩ではなく、墨や顔彩、胡粉などの日本画の画材のみで描き上げました。
描きながら感じたことと、自分の内側の変化
制作を進める中で、ナルキッソスは単なる神話の登場人物ではなく、自分を見つめるという”自己認識の象徴”のようにも感じました。
水は感情の象徴として用いられることが多く、水面を見つめるという行為は、自分と対峙する姿と似ているからです。
描いている時間は、作品を作る時間であると同時に、私自身の内側を見つめる時間でもありました。
この絵を通して届けたいこと
この作品を通して伝えたいことは、愛とは神話のような『自分を見つめる=陶酔する自己愛』というひとつの意味だけではない、ということです。
愛。それは自己陶酔のような危うさの中にもあり、祈りのような静けさの中にもあり、時には新しい気づきの中にもあります。
愛はいたるところに存在するもの。
まさに『七色の愛』のようだと私は感じています。
ですが、この絵から何を感じるかは、見てくださる方それぞれの自由な解釈に委ねたいと思っています。
まとめ|ナルキッソスの物語を、私なりの絵として残して
ギリシャ神話のナルキッソスをモチーフにしながら、今回は私自身の感性を通して、新しい一枚として形にしてみました。
作品の背景や想いも含めて、見ていただけたらとても嬉しいです。














